朝が待てなくて

横の列にはもう知らない子達が座っていて
眺めていたら、隣の男子と目が合った。


気の強そうな目でじっと無遠慮に見て来る。



「どこ中?」


と訊くので「緑中」と答えると


「俺、橘中」と言った。


いや、訊いてないから。



よろしくな、とか言うのかと思ったら、とっとと前向いて知らん顔している。


てか笑えよ。




でもガイダンスが終わって解散となったとき
そいつは橘中の女子たちに囲まれて

「大淀とまた三年間同じ学校に通えるなんて最高!」

とか騒がれていた。



なのにそいつってばノーリアクションで、つまんなそうな顔して突っ立っている。






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