朝が待てなくて

「やっぱ渋いよ。大淀、大人っぽーい」


って女子の一人が嬉しそうな声を上げた。



プ、大人っぽい?
樹と比べりゃてんで子供じゃん。


なーんて子供が子供を笑ったとき、またもそいつの無愛想な瞳と目が合った。ひぇ…




「大淀―っ」


向こうからやんちゃそうな男子たちに呼ばれて、そいつは去っていく。


だから笑えよってば。怖いじゃん。


“大淀”ね。近づかないようにしよう、って
ちょっと思った。


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