朝が待てなくて
日焼けだけじゃないか。
全体的に雰囲気が少し変わったみたい。
以前の大淀は、もっとしらけた顔をしていたし、いつもつまんなそうに見えたけど
ここんとこ笑ってる顔をよく見かけるようになった。
「上野」
サホリンと別れて、樹の会社への道を歩いていると、突然後ろから声をかけられた。
「あ、大淀」
「あいつんとこ行くの?」
「うん。樹が仕事に出る前、時間があるから一緒に晩ご飯食べようって。…大淀は?」
並んで歩きだした大淀は、ふーん、とつぶやいて、ちらっとわたしを見おろした。
「俺は、本屋」
素っ気なく告げる。