朝が待てなくて
「…ヤ……」
声にならない声を発して取り落とした携帯を、サホリンとミャンマーが拾ってのぞき込んだ。
「と、とにかく電話しよう、真琴」
サホリンが祐二さんの番号に電話を返しながら、携帯を手渡してくれた。
コール音がすぐに止んで祐二さんが出てくる。
「も、もしもし」
「まこっちゃんか?」
「う、うん」
「あのな、樹が事故ったらしいんだけど、確かなことがまだよくわからないんだ」
「わからないって?」
「東名高速でトラックの横転事故があって、うちのトラックだったって、会社に連絡が入ったんだ。偶然現場を通りがかった知り合いのドライバーが電話をくれてな」
「うん……」
涙が出てくる。
「だけど警察や病院からの連絡がまだなくってさぁ」
祐二さんがイラだった声を出した。