終わらないよ
『こればっかりはどうしようもないんですよ。体質って奴ですから。』
彼は少し無理しながら笑うと、また咳が出た。

『おいおい。大丈夫かよ。』
俺はそんな駿を心配しながら見ていた。

『大丈夫です。』
こいつは無理して笑う。苦しい時には苦しいとは言わない、ある意味強い奴だ。

『それよりも、今日はお話があるんです。』
彼は咳を終えると、俺の方を見て真剣な顔をする。

『実は、僕の親戚がこの学校に転校してきます。理由はよく分かりません。ただあんまり友達を作るのが得意な方じゃないんです・・。だから・・。』
駿は俺の手を握る。
俺達が今黒のブレザーを着てなかったらカップルに見えないことは無いのだろう。

ちょっとあの2人手を握ってるよ。
うわ、ああいうのすごいいい!。
と女子達の会話が耳に入るが駿の話に集中する。

『だから、あの子の友達になってあげてください。』
『おう。別にいいけど。』
俺は駿のお願いに即答した。駿の親戚だからいい奴には違いないだろう。

『ありがとう。颯君ならそう言ってくれるって信じてた。』
彼は満面の笑みで俺の手をにぎったまま。

こいつが男なのが信じらんないと思う。
『今度じゃあ紹介しますね。』
『ああ。』

『何の話をしてるの!!。』
バンとおもいっきり俺の机がいきなり叩かれ
『うお!!。』
なんとも情けない声が出た。
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