ラフ
泉の家のベランダから、ミナミの街をぼーっと眺めた。

夕焼けで赤く染まった空に、ところどころ、青や黄色のランプが点滅しているのが綺麗に見えた。


もっと高いところから見たら、もっと綺麗なんやろうなぁ…


なんだかしんみりしてしまった。

今回の出来事は、本当に、私の軽はずみな行動が、いけなかったんだと、そう思った。
私が、高松に頼ったばっかりに、こんなことになったのだ。


今後は、本当に気を付けないと。


はぁ、とため息をついた。

しかし、終わってみれば、なんだかんだで、高松とは仲良くなり、刑事の九条とも知り合い、友人になった。

得たものも多いってことか。


少しだけくすぐったい気がした。そして、幸せだった。



お母さん、私は、今。とっても幸せだよ。

空に向かって、小さく呟いた。
< 152 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop