ラフ
家に帰って、掃除や洗濯をして、午前中を過ごした。午後からは、特にすることもないので、久しぶりにお菓子を作って遊んでいた。

一応、高松には、時間が空いたら連絡ください、とだけ、メールを送ってあったので、メールが来れば、出られるように、準備は終わらしてある。


「できた!」

焼きあがった生地に、クリームを入れ、食べてみる。
我ながら、うまくできた、と、悦に浸る。


泉にあげたら、喜ぶかな。


おいしそうに食べる、泉の顔が目に浮かんだ。それを思うと、ふふっと笑みがこぼれた。

「こっちはどうかな~」

冷蔵庫で冷やしてあった、プリンとティラミスも1個ずつ取り出して食べてみた。

「ん~、おいしぃ♪久しぶりに作ったにしては、うまくできたなぁ」

しかし、と、冷蔵庫の中にある量を見て、少し悩む。

「・・・できたのはええんやけど、この量、どうしよう」

シュークリームは残り11個。プリンとティラミスは、それぞれ5個ずつ残っている。さすがに1人で食べるのは無理がある。泉と2人で食べてもまだ多い。

「・・・高松さんは甘いもの、好きやろか」

うーん、と悩んだ末、高松と高瀬、それから岸田の3人に、おすそ分けしようと思いついた。とりあえず、適当な大きさの箱に、シュークリームを6個詰め、プリンとティラミスも3個ずつ、つめた。

「・・・でか・・・・・・」

これを持って出歩くのは面倒やなぁ・・・と思っていると、携帯にメールが届いた。
メールの主は高松。

【今日は20時にあがり予定。悪いんやけど、こないだの劇場の控え室に、そのくらいの時間に来てくれる?裏口の方から入って、守衛さんに言うてくれたら、入れるようにしておくから】
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