ラフ
そういって、シュークリームを1個ひょいっととって食べた。

「お、うまい!」

「ほんまに?」

「おー、ほんまにうまいで!」

ほめられて、少し照れる。

「あ、それより、お仕事お疲れ様です」

「いえいえ、お待たせしました」

「ところで、今日はどうするんですか?」

「いや、ちょっと、奈緒ちゃんに来てほしいところがあんねん」

「どこですか?」

「んー・・・ちょっと。気のせいやと思うんやけど、気になることがあって。かまんかな?」

「はぁ・・・」

何なのか、さっぱりわからなかったが、取り合えず、高松に従った。
高松の車に乗り、行き先はわからないまま、車内は沈黙が降りた。


数十分走ったくらいだったか、一軒の大きな家の前で車を止めた。シャッターを開け、車を中に止める。

「あの・・・ここは?」

「ん?あぁ、俺の実家」

「実家!?」

いったい、何の用でここにつれてこられたんや!?
軽いパニックだった。

「いや、ちょっとだけ、気になることがあって」

高松の顔は、真剣そのものだった。
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