ラフ
「なぁ・・・奈緒」

「・・・なに?ゆうき兄ちゃん」

「変な男にはつかまるなよ?俺の認めた相手やなかったら、許さん」

「なにが」

「奈緒を泣かせるようなやつは、俺は認めへんからな」

「・・・・・・大丈夫。もう」

そう言うと、そうか、と小さくつぶやく声が聞こえた。

「お兄ちゃんだろうがなんだろうが。俺は今度、奈緒を泣かせる様なことがあったら、彼氏とは引き離す。俺のそばにずっと置いておく。ええな?」

「・・・はいはい」

「奈緒。おやすみ」

「おやすみ、ゆうき兄ちゃん」


その日は、驚くほどぐっすりと眠れた。
久しぶりに、母さんと一緒に動物園へ行っている夢を見た。
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