新撰組〜タイムスリップの恋〜
ー沖田sideー

「海ちゃん?起きてください」

少し柔らかい声で、海ちゃんを呼びかける。

だが海ちゃんはいっこうに目をさまさない。

「‥‥た行くな‥‥」

少しかすれた頼りのない声だった。

「土方‥‥」

‥‥どうしてその人なんですか‥‥?

少し怒りにも似た感情が、動き回った。

ギシッ

立ち上がろうとしたときだった。

「沖田か?」

振り向くと起きていた海ちゃん。

「どうして「海ちゃん。好きです。」

海ちゃんの言葉をさえぎりでたのは、隠しきれない恋心。

「は‥‥?誰が?」

「僕が」

少し焦る海ちゃんを愛おしく思った。

「‥‥ごめんなさい。なんでか、断らなければいけない感じがした。」


まだ‥‥この子は気づいていないらしい。


「その理由は、土方さんが好きだからです」

すっと立ち上がり、笑ってみせた。
ご飯に行かなくてはと、思ったんだ。

「ご飯ですから、早めにきてくださいね」

くるりとむきを変える。

「沖田。ありがとう」

どうして。
女々しいと自分でも思う。泣きそうな感情が溢れた。

ぐいっと海ちゃんを引き寄せ、額にキスをした。


最後の悪あがきだ。


また向きを変えなおし、部屋からでた。
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