魔法の戦士《bellator》
放課後


小さなアパートの一室の前に、テナと幸大がいた。


「圭、帰ったわよ。」


「…おかえり。

って、な!?

何で岡田がいんのよ!!」

ばふっ、

枕が投げられた。

委員長はベッドに入り布団を被る。

「委員長、」

「帰って!」

「…ああ。

じゃあ、また。」

「ちょっと待ちなさいよ…

圭を何とかしてくれないかしら?」

テナが言う。


「本人が帰れって言ってるし…」

「良いから、適当に座りなさい。

飲み物持ってくるわ。」



「…委員長。」

「…。」



「まったく、2人とも奥手ねぇ。」

テナが飲み物を差し出す。


「2人とも、言いたいことを言わないと解決しないわよ?


2人は長い付き合いなんでしょ?

今さら本音を言ってもどうなる訳でもないと思うわ。」

テナが言う。

「いや、俺はマジで言いたいことがないんだがな…。」


「普通は、

何でそんなに嫌がるんだよ〜

とか言うものよ?」

「いや、だから、拒絶されるのを前提にしてるから…」


「…何で…」

布団の中から声がする。

「何で…黙ってたの?」


「…言ったら、拒絶されるって思ったからだ。


現に、その通りだろ?」
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