魔法の戦士《bellator》
「圭が会いたくないそうよ。」

テナの声。

「なら…勝手に入らせてもらう。

エラボー《透過》」


スッ、

幸大はドアを通り抜けた。


ガチャッ、

中から鍵を開け、可鈴たちを招き入れた。


「邪魔するぞ。」

幸大が言う。


「な!?

テナ、鍵を開けたの!?」


圭が言う。


「圭、魔法使いと泥棒に鍵は意味ない。


まぁ、いいや。

話し合いにきた。


取り合えず座ってくれ。」

全員で小さなテーブルを囲んで座る。


「単刀直入に言う。

テナ、お前は鬼の奴らと繋がってるな?


しかも、鬼があの方と呼ぶ一番上の奴と契約しているんだろ?」



一時の沈黙。

「そう…知ってたの。

いつから?」

テナが言う。

「圭が引きこもる前日。

雷を使う鬼を脅して吐かせた。」

「まったく、乱暴ね。


で?

私を殺すの?」

「それで解決するならな。


だが…圭は嫌なんだろ?」


「当たり前でしょ!

そもそもテナ、なんで?

私と契約したって…」

「嘘よ。

暇潰しのつもりで圭を騙したのよ。」

「そんな…」



「テナ、正直に答えろ。」

幸大が言う。


「何かしら?

もう、嘘を吐く必要もないもの。

正直に答えるわよ。」
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