* 王子と契約彼女 *
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「まーだーかなー」
時間通り5時に駅前に着いた私。
真由美とちかは、まだ来ていない。
真由美は委員会の集まりがあるらしくて、少し遅れるかもって言ってた。
ちかはいつもこんな感じだから、多分もうすぐ来るだろう。
「‥‥‥」
一人待ちぼうけながら、沢山の人だかりの中を見渡しながら真由美とちかを探す。
ポンッ‥
すると、誰かが後ろから私の肩をポンッと叩いた。
「(真由美?ちか?‥)」
どっちなのか確認するため後ろを振り向くと、そこにいたのは真由美でもちかでもなかった。
「あちーねー‥」
そう言って片手で自分を仰ぎながら、片手を私の肩に乗せる"優くん"がいた。
「ゆ‥せ、先輩っ?!」
いつもちかと"優くん"と呼んでいるために本人に言ってしまいそうになるのをなんとか止めた私は、"先輩"と言い直す。
「(学校以外の所で逢えるなんて♪‥てか私に話し掛けてくれたあああ(嬉))」
"優くん"を忘れるためにカラオケに行くなんてすっかり忘れて、テンションが上がる私。
「待ち合わせー?」
そんな私を気にせず、問い掛けてきた"優くん"。
「はい、友達と。今からカラオケ行くんです♪」
「いいなー♪俺も行きてぇー」
「先輩も来ます?(笑)」
「まじでっ!‥って俺行くと友達びっくりするよな」
「ですね(笑)」
まあ、そんなに親しくもないのに、カラオケに一緒に来ることもないだろう。
「(って、"優くん"忘れるためにカラオケ行くんじゃん!)」
やっと思い出した私。
―――♪♪♪
すると、私の携帯に1通のメールが届いた。