* 王子と契約彼女 *



―――――――――――――
ごめんね、なな。
委員会遅くなりそうなんだ‥
今日行けないや‥(;_;)(涙)
一緒にいけなくて本当ごめん
ちかと楽しんできてね☆
         真由美
―――――――――――――



「(真由美来れないのかぁ‥)」



がっかりしている私に追い撃ちが。



プルルル――♪



私の携帯にかかってきたのはちかから。



「ちかー?まだー?」

「ななーごめんー!!今日バイト入ってたのすっかり忘れてたんだ‥私は行けないけど、真由美と楽しんできて!」

「え、えええ?!ちょ、真由美も来れな‥」

「わっ店長呼んでる!本当ごめんね、なな!はーい今行きまー‥」



‥‥‥ツー、ツー



「(えぇぇえぇぇ‥‥‥‥)」



「どした?」



あからさまにがっかりしている私に、"優くん"は心配そうに私の顔を覗いてきた。



「うおっ///」



思わず声に出てしまった私。

"優くん"はそれを気にせず、こっちを見てる。



「友達来れなくなったみたいで‥」

「え?!まぢかあー‥じゃあ一人?」

「はい(涙)‥帰ります‥‥」


「ちょっとまって」



背中を丸めながらトボトボ帰ろうとする私を、"優くん"は呼び止めた。



「俺と行く?!せっかくここまで来たんだし」



「(ままま、マヂデスカッ?!)」



続けて"優くん"は言った。



「俺今暇だし、俺もカラオケ行きたくなってたんだよ!すごく行きたそうだし、ちょうどいいよ!な?行こっ」

「‥!ちょっ‥///」



"優くん"は私の腕を掴んで、あの天使のような笑顔で走り出した。




< 13 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop