* 王子と契約彼女 *




「お願い、俺と付き合って!」

「え、え、え、え」

「なんか今日一緒にいて、なななら頼めると思った。いきなりだけど、俺の彼女のフリしてください!」



"優くん"は私に向かって手を合わせ、目をつぶりながら本気で私に頼んでいる。



「あ、なな、彼氏いるとか?好きな人いるとか????(汗)」

「彼氏は、いない‥ですけど‥」



好きな人は"貴方"です。
なんて今言えるわけがない。



「好きな人いる?」



そう言いながらすごく悲しそうな子犬のような顔をする"優くん"。

そして私は、言ってしまった。



「‥なります、彼女‥‥。」



「ほんと?!うわあ!まぢでありがとう!!!」

「っ!///」



子犬?天使?どっちでもいい。
"優くん"は今まで以上の笑顔を私に向け、私に抱き着いた。



「ななは神様だ〜〜‥‥‥(涙)」

「でもなんで私なんですか?」

「ん?なないい子だから。」

「はい?(笑)」



いきなりの急展開。
これからどうなっていくのか。

とにかく、私は好きな人の彼女(のフリ)になったのだ。

心の中は、ありえないくらいのドキドキと、なんとなく、嫌な予感が混ざった感じだった。


私、春風なな、本日をもってとっても甘い甘い、はずの‥夏川優の彼女こと、王子の彼女ライフを送ることになりました!




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