* 王子と契約彼女 *
「「優くん、彼女いたんだってぇ!」」
「「うそぉ?!やだー!(涙)」」
「(え‥‥‥‥?)」
せっかく気分が浮いていた私に、こんな嫌な噂。もう、一気に転落。
「「それもあの、花園さんと!」」
「「うそ‥(涙)」」
「「あの2人なら、美男美女でお似合いかも‥‥‥‥」」
「「確かに‥‥‥‥」」
噂を聞き付けて泣いていた女の子達も、相手が分かると、何故か納得している様。
「(花園‥さん?)」
「「なな‥‥‥‥‥」」
一緒にいた真由美とちかも噂を聞いて、私の気持ちを読み取ったかのように悲しい顔をする。
「よりによって花園さんかあ‥」
「ちか、花園さん知ってるの?」
「うん、すごい美人さん」
"美人"‥だから、女の子達も納得していたのか。
「「あ‥花園さんだ‥」」
すると、女の子達が"花園さん"を見つめてざわめいていた。
私も女の子達の見る方を見る。
「‥‥‥‥‥‥‥」
見えたのは、目がクリクリ、髪は巻き髪で、まるで人形のような綺麗な顔立ちの女の子。
「(あれが‥花園さん‥)」
一瞬見ただけで、私も納得してしまうほどの美人だった。