紫陽花の中の猫
奇妙な同居生活が始まる。
俺が彼女を受け入れたのはきっと、人が恋しくなったからだと思う…。
見た目からしてチャラくて女をはべらかしてるように見えて意外に真逆で、一途だったりする…。
だから恋をすると『重い』って言われて振られたりする事も…。
守ってあげたくなる愛らしさがまさに猫を拾ったような感覚に近いんだと思う。
それに俺と似たような匂いがするのも見捨てれなかった一つの理由だったんだ…。
今の俺は人の孤独感、絶望感は1番わかってやれる気がしたから…
傷の舐め合いなんかいらない…
ただ、誰か側に一緒にいてくれればそれだけでいい…
今の俺に望む事はそれだけで十分。
彼女が側にいてくれるだけで満たされない毎日に新鮮な風が吹いて少しは癒される気がしてた。