【完】ラブ☆パワー全開



笑いながら布団を下へとズラす仁と、
必死に上げるあたしとで、

引っ張り合いになる。



「でもこれから家では、今のままがえぇな」



は!?

今のままって……ノーメイクにデコッパチにオッサンなあたし!?


ぷぅっと膨れた頬の空気が一気に抜けた。



「めちゃくちゃにしても気になれへんやん?」

「めちゃ……くちゃ?」

「そ。服とか脱がす時、一応気遣ってるし」



めちゃくちゃ……。


ボッと音が聞こえるくらいに赤くなった、

あたしの頭の中は妄想MAX!



なんて事をををををを!



「それに、俺だけやん? 綾のそんなん見れん」

「そ、そうだけど……」



真っ赤になったあたしに

『可愛い』

って言いながらキスが落ちる。


やっぱり恥ずかしくて布団を鼻先まで被った。



「じ、仁! お風呂入る?」



腕枕をされ交わすキスに爆発寸前のあたしが言った言葉は



「その前にもう1回していい……すか?」



だなんて仁の甘い誘惑に消されてしまった。



ノーメイクでも、
部屋着でも、
デコッパチでも

“可愛い”

って言ってくれる彼氏。


最高に嬉しいけど。


普段頑張ってお洒落してる時と同じ感想ってのも、どうなの? なんて思ってみたりする、あたしは捻くれてるのかな(笑)








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