ゆびきり
唖然としている私の顔を見て、梨由は笑った。








「あはははは、日和、口あいてるよ(笑)間抜け顔〜」








一気に恥ずかしくなり口を閉じて、うつむいた。








「だ…だってさ、規模大きすぎるよ!アーティストって…」







「まあね、でも、何も凄くないよ。父がレコード会社の社長でさ、勝手なことして家抜け出したのに、無理矢理、結婚させられることになったの」








結婚…



またまた、梨由は大きなワードをだしてくる。







「梨由っていくつ?」







「私は、18歳。日和の2つ上かな」







18歳で結婚、早すぎるよ。
私が18歳でも結婚してるイメージすらわかない。







「お腹にさ、子供いるの。旦那の子供じゃないんだけど、シングルマザーにしたくないっていう、父のある意味優しさなんじゃないかな。跡継ぎ候補の彼と婚約してるから」








明るく言う梨由だが、どこか自分に言い聞かせているような、そんな淋しさが伝わってきた。










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