ゆびきり
それからは、今日の夕飯の買い物や、詠士のちょっとした雑貨などみにいった。







本当に、ただデートしているみたいで、笑みが止まらない。







「お前、やけに今日楽しそうだな」







にやけている私を不思議そうに、顔をのぞきこむように言った。







顔が近いよ…






にやけていた私は、一気に顔が赤くなるのを感じた。







「べ、別に…買い物が好きなんだもん」







苦しい言い訳をする。









私の気持ちを知っているはずのあなたは、いったいどんな気持ちで私と過ごしているんだろう。






本当に何も気にしていないのかな。







「やっぱり、お前、単純なんだな。買い物が楽しくてにやけるなんてさ」








詠士は笑顔でそういった。








気づいてないのだろうか、自分が思わせぶりな態度を私にとっているのと。







詠士って、もしかして、凄く鈍感?








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