エリートな彼は溺愛を隠さない
彼はフフッと笑って静かに言った。

「昨日、聞いたよ。
だから…知ってる」

そう言ってそっとその大きな瞳を閉じる。

ふわりと優しく唇が重ねられ私も目を閉じて…彼の背に手を伸ばした…。



――――

「俺…、ヤバい。
自分が分からない」

「…え…」

煙草の煙を細く吐き出しながら彼がポツリと言った。

夏哉はあれから何度も激しく私を求め、私は彼の激しい情熱を全て受け止めた。

そんな後に彼が初めて口にした言葉に私は首を傾げる。


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