エリートな彼は溺愛を隠さない
…他の方、だと?

…この女…っ。

そう思った直後、もどかしい気持ちを振り払う様に俺は思わず言ってしまっていた。

「じゃあ、本気の恋愛、してやるよ。
その代わり、お前が俺に教えろよ。それが…、どんなものなのか。
俺を遊びじゃなく本気にさせてみてよ」

「えっ…?」

うわ、俺、あり得ねぇ…。かなり無茶で強引だ。
口が意思を無視する様に勝手に動く。

しかも……本気の恋愛!?俺が!?
自分で言った事に自分で驚く。
完全にパニック状態。

でも、この瞳…。

どうしても、欲しい。

…知りたい。城田綾芽という女を。

そして、俺を好きだと言わせてみたい。この唇から。
何なんだろう、この胸の奥に渦巻く気持ちは。

それを確かめるように俺はもう一度、彼女の唇に引き寄せられるように自分の唇を重ねた。

彼女も抵抗しなかった。

またしても彼女の唇の柔らかさに心が癒されていく。

するともどかしく分からなかった自分の謎の部分が何かで埋まっていくような感覚になる。

今まで数多くしてきたキスの中でこんなに満たされた女はいただろうか…。

うっすらと彼女の顔を見る。

とろりとした顔で俺の唇を味わう、こんな女が今までにいただろうか。

……もっと、欲しくなる。


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