エリートな彼は溺愛を隠さない
「桔梗町…です」

聞かれたまま答えると彼は、またしてもピタリと立ち止まる。

「何怒ってるんだよ。
いきなりキスしたのがそんなに嫌だったのか」

え?彼は何を言って…?

「別に怒っていませんけど…」

「ほらぁ、その喋り方~。怒るなよー」

…別に、普通なんだけど…?何だろう。

「分かった、もうしないから機嫌直せ、な?」

「?だから怒ってないよ。…別に嫌だった訳じゃ…」

…はっ!!私、何を言って…。

ふと彼を見上げると満面の笑みを湛えて私を見下ろしている。

え。どうしたの…。




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