エリートな彼は溺愛を隠さない
「止めて、離して。
これ以上惨めな気持ちにさせないで…」

綾芽が今にも泣き出しそうな声で訴えてくる。

離す訳にはいかない。
今、分かってもらわないと俺に対してずっと誤解が解けないだろう。
そのまま俺から離れて手の届かないところへ行ってしまう。

「綾芽、莉乃とは何でもないんだ、マジで。」

「止めて、離して。帰る」

「綾芽!!」

俺は彼女に後ろから抱きついた。

…ピタリと彼女の動きが止まる。



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