姫×四季(仮)
どうしてだろ…
ゆっくりと重い瞼を開けると
目の前には、矢神陽星。
「危ないなぁ」
え…何?
どしてここにいるの?
しかも…なぜ?
アタシ…どんな状態?
まわりから女達の黄色い声が飛び交っていて、頭が働かない。
それだけじゃない気もするけど…
「顔色悪いけど…飲み過ぎ?」
「全然…」
『大丈夫』って言いたいけど
視点は相変わらず定まらず
気持ちが悪い。
「…もしかして」
矢神は何やら小さく呟き
アタシの額に手を乗せた。
「やっぱり…」
へ?
『やっぱり』って?
「熱あるな」
「ね…つ?」
「ちょっと黙ってな」
何がなんだかわからないまま
気付けば体が宙に浮いている。
「なッ」
どういう事なのか理解出来ない。
とりあえず目の前には矢神。
もしかして…
抱き抱えられているのか?
「桔梗。この子、送って行く」
「え…えぇ」
はッ!?
何ッ!?
どこに送って行くって!?
アタシに家なんてないのにッ!
「はなして…ッ」
「落ち着けよ病人。無理しないで寝ていろ」
なんで良くも知らない男に指図されなきゃいけないの!?
"絶対起きててやる"
そう思っていたのに…
限界の体は理解してくれず
気を失う様に
一気に眠りに落ちてしまった。