わんことにゃんこの愛し方


私の番が回ってきたけど、そういえば趣味とか無いし、どうしよう。

そんな心中の葛藤なんておくびにも出さず起立すると、しゃんっと背筋を伸ばして前を向く。


「新山理桜(にいやま りお)です。
東中から来ました。えー……」


一人立っているんだから、視線が集まるのは当たり前のことなんだけど、落ち着かない。

しかもなんかコソコソ耳打ちしてる人多いし。


続きがさっぱり思い浮かばない。

「……よろしくお願いします。」


ぺこりと頭を下げて席に座ってから、頭を混ぜ返したい気持ちになった。

愛想悪かったかな、やっぱり。

まぁ、もともとそんなに愛想がいいわけでもないんだけど。

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