だけど、俺は教師でお前は生徒
「本当に改札まで送らなくていいのか?」



東京駅近くで、車から降りる澤村。



「うん。ここでいい。一人で大丈夫だから……」



「気をつけて行ってこいよ。なんか不安だなぁ」



「お母さんがあっちの駅まで迎えに来てくれるって」



澤村の母親は、昨日一足早く出発していて、引っ越しの業者を向こうで待っている。



「そっか。少し安心したけど……」



これで、嫌でもしばらくは会えなくなる。



でも、お互いに感じてる気持ちは一緒な気がして、



余計な言葉はいらないと思った。



「……あたし、バイバイは言わないよ。これが“お別れ”みたいになっちゃうから……」



そう言って、手を振りながら、微笑む澤村に俺は小さく頷いた。



「ああ、またな……」



「うん……。三嶋先生も……元気でね」






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