ただ二文字が言いたくて




俺は本日何度目か分らないため息をつくと一花に言う




「そんな、いくら家が近いからって俺は赤の他人です

俺が何しようと俺の勝手じゃないんですか?あとこんなとこで油売っていいんですか生徒副会長」



最後のコトバを少し大きめのボリュームで言う



すると一花の肩がわかりやすく揺れる



「だ、だって!」

「だってなんですか」



俺がそう言うと一花が何か言おうとして、やめた



「………なんですか」




めんどくさくなって聞くと一花は少し顔を赤らめる



「だって梓はあたしの大事な弟なんだから!ほっとけないんだよ」



ズキンッ、て心臓が軋んだ気がする




へへ、って顔を綻ばせる一花はすごく可愛くて、





恨めしかった






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