愛情狂現-2人の日常-
「秋ー。できたよー」
ぐったりと横たわる秋の前に、お粥を置く。
熱のせいで顔が赤い秋は、なんだか幼く見えていつもより可愛い。
「ほら、ちゃんと食べないと治らないよ?」
「さっきキッチンから恐ろしい調味料が聞こえたけど」
「味は確かだよ。私の料理の腕を知ってるでしょ」
「え、う、うん・・・・・・」
平常時の3割増しの笑顔で、秋の口元にレンゲを運ぶ。
「あーん」
「・・・・・・普通に考えたら、すごく嬉しいはずなのになぁ・・・・・・」
秋はボソッと呟いたものの、素直に口を開いてくれた。