心はいつも、貴方とともに
ランバートの執務室に行くと、運の良いことに休憩中だった。



「あの、お兄様…。」



ちょっとドアから顔を覗かせると、ランバートは椅子からパッと身体を起こした。



「おお、ミアか。
どうした?」



アミリアは見逃さなかった。



ぐったりと疲れた様子で、椅子にもたれかかっていたのを。



悪いことをしたか、と顔を曇らせる。



ランバートはそんなアミリアに気付き、優しく笑った。



「入れ、ミア。」


「はい。」



よく来たな、とランバートは笑う。



しかし、その笑顔もどこか疲れていた。



アミリアはそっと目の下の隈に指を置く。



ランバートは気まずそうにその手を退けた。



「で、何かあったのか?」


「…国民の不満が高まっていますね。」


「そうだな。
こんなことが起きれば、俺だって文句を言うよ。」



ランバートはおどけて見せるが、アミリアは笑わなかった。



「今こそ、私の出番ではないでしょうか。」



すっと、ランバートの顔から笑みが消えた。



そして、冷たい眼差しを寄越す。



それは、国王代理の顔だった。



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