心はいつも、貴方とともに
「でも、私、何もできなくて歯痒いんです。」


「お前は十分役目を果たしてる。
お前がいなかったら、俺はこっからトンズラかますさ。」


「…何か、王子らしからぬ言葉が飛び出したような気がしますが。」


「何も、心配はいらないからな。」



さらりとアミリアの言葉を無視し、ランバートはアミリアの頭のてっぺんにキスをした。



久し振りにこんなことされた…。



「ミア、そろそろ戻れ。
で、ジークを呼んでくれないか?」


「はい。
…でもどうして?」


「いらない詮索だぞ。」


「はい。」



じゃあな、とランバートは頭を一撫でし、椅子に座った。



アミリアが外に出ると、ジークは律儀に休めの体制で待機していた。



「ジーク様?」


「はい。」


「お兄様が、ジーク様とお話したいと。」



何故かジークは一瞬、嫌そうな顔をした。



「え…何か?」


「いえ、なんでも。」



そうは言いつつも、なんだか渋々といった感じだった。



不思議に思いながら、アミリアは廊下の隅で、ジークの帰りを待った。














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