大地くんの天気予報
ふいに、机の上に立て掛けてある、いくつかの写真に目を止めた。
僕は腕を伸ばして、そのうちの一つを手に取った。
小さい頃、僕と絢姉さんが二人で一緒に『絵日傘』という踊りを踊った時の写真だ。
…あの頃の絢姉さんは、優しかった。
今みたいな、あんなキツいお化粧をしなくたって、十分かわいらしくて、笑顔の似合う、とても素敵な人だったのに…。
…いつから、変わってしまったのだろう…。
僕の知ってる絢姉さんは、あの頃の絢姉さんは、もう、いない…。
そんなあたたかい思い出の箱を閉じるかのように、僕はその写真立てを、そっと静かに伏せた。
…強く閉じた瞼の裏、代わりに浮かび上がってくるものといえば、あの絢姉さんの裸の後ろ姿ばかりだった…。
そのなまめかしさを鮮明に思い出すたびに、僕は心の中で何度も吐き気に襲われた…。