幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ホークは、ほっとしたような笑みを浮かべた。


「おいで。一緒に食べよう。ミリーが焼きたてのパンを持たせてくれた。果物もあるぞ」


あたしは頷いて部屋を出た。


「ホーク、忙しいんじゃなかったの?」


「忙しい。だからお前と朝食を食べるのだ。お前の様子も見られるし、時間の節約になる」


「あたしの事なら、放っておいても大丈夫なのに……」


「お前の母君はそうは思っていないようだぞ」

ホークはあたしを見下ろした。

「この間倒れてから、ずっと家にこもりきりだと言うではないか。まだ気分がすぐれないのか?」


「もう大丈夫だよ。家にいるのは、村に行ってもやる事がないから」


「なるほど」



あたし達が階下に行くと、母が食卓の準備をしていた。


「おはよう、サンディ。気分はどう?」


みんなどうしちゃたの?

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