幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
家畜は種つけをするものだし、麦畑の背の高い穂の間で、恋人達が愛し合うのを目にした事もある。

でも、ホークがあたしを女性として見るとは、思いもしなかった。


何を言えばいいんだろ


「まだショーンを思っている?」


そうじゃないけど……


ホークは体を起こして、あたしを見下ろした。

優しい手が、あたしの頬を撫でる。


「わたしが恋人では、気に入らぬか?」


意外な言葉に、あたしは目を見開いた。


「ホークはあたしの恋人になりたいの?」

「お前が許してくれるなら」

「少し……何日か考えてもいい?」


ホークは少し顔をしかめてから、『もちろん』と言った。





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