幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「この国では魔導士と呼びます。あたしは故郷で、魔導士になる修業をしておりました。といっても、落ちこぼれですけれど」


「そう。ここへは何故?」


あたしは少し考えた。


「あたしは織り師の卵でもあるんです。ある人から、この修道院に素晴らしいタペストリーがあると聞いて、どうしても見たくて」


「それがあのタペストリー?」


「はい」


「では存分に見なさい。許可します。その代わり、あれに何が記されているのか教えておくれ」


驚いて思わず顔を上げると、王妃様が美しい笑みを浮かべていた。


「ずっと知りたいと思っていたのです」





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