幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ホークはあたしのお下げ髪を軽く引っ張った。

「お前を奪い返しに来たのだ。帰ろう」


帰りたい。


一瞬、心からそう思った。


「でも、このままいなくなったら、皆が心配する」


もうすぐ完成するユニコーンの召喚魔法も、一からやり直しになってしまう。

王妃様に約束した飾り帯だって。


「わたしが心配しなかったとでも言うのか」

ホークが詰(なじ)るように言った。

「ある日突然、置き手紙一つでいなくなったのだぞ」


「ごめんなさい」

あたしはホークにもたれかかった。

「でも、もう少し……あと一月(ひとつき)だけ待って」


ホークは深いため息をついた。


「一月だけ与えればよいのだな?」


「うん」

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