幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「愛してる」


「どれくらい?」


あたしは微笑んだ。


「そうね……ホークの伯爵夫人になってもいいくらい。小さな伯爵様やユニコーンを召喚できるような女の子魔導士を産んであげてもいいくらい」


あたしは両腕を伸ばして、ホークの頭を唇が重なる寸前まで引き寄せた。


「あたしの恋人にしてあげてもいいくらい」


ホークがあたしにキスをした。

ゆっくりと愛おしむように。


「ねえ」

しばらくして、あたしはホークの唇に囁いた。

「あたしがホークの許婚者だって知ってるのは、誰と誰?」


「うちの母、お前の母上、エリザ」

ホークはニヤリと笑った。

「それと、ミリー」


「ちょっと待って! ミリーまで知ってるのに、どうして当事者のあたしが知らないわけ?!」

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