幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「魔法修業はそれほど大変なのか?」


大変だよ、ホーク


人はどんなに大変でも、自分の好きな事なら頑張れる。

あたしだって、織物なら徹夜で織っても平気。

食事をしている時でも、あの模様はこう、あの色は糸の色をこう組み合わせてって考えてる事がある。

今は下手くそでも、もっと上手になりたいと強く思える。


あたしは織物が好き


織り師になりたい


でも――


あたしはホークの顔を見た。

金色の瞳が真っ直ぐにあたしを見詰めている。


「失敗続きで落ち込んでいただけ」


ああ、また『織り師になりたい』とは言えなかった。




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