そして、今日も好きなんだ
「…あたしのこと…、…好きじゃなくなっちゃったんだよ…」
けど、あいつのこと忘れなれないんだろう?
好きだから、忘れなれないんだろう?
『好き』なんだろう?
なら…。
「……それ。本人に言ってあげなよ?」
「えっ?」
彼女を真っ直ぐ見据えて僕は言った。
本当の気持ちを悟られないように、隠しながら。
本当は、
あいつに『好き』って言って欲しくない。
あいつに君を渡したくない。
けどさ、君が泣くくらいなら、僕は我慢するよ。
「『こんなに好きなのにーっ!』って君の顔に書いてあるよ」
笑顔で我慢するよ。
笑顔で嘘をつくよ。