モラトリアムを抱きしめて
真っ暗な家はさっきまでいた外と変わりがないくらい、ひんやりしている。
冷たいフローリングを滑るようにリビングへ入ると、直立不動の家具たちが迎えてくれた。
壁を探るように電気のスイッチを押そうとした時、暗闇の中に一際目立つ、赤い点滅を見つける。
長く見つめると目の奥に跡を残してしまいそうなその光は、電話からのもの。
リビングの明かりを点け、確認すると『メッセージ一件』とあった。
寄り添うように私の横にピッタリくっついているはっちゃんも、興味深そうに覗き込んでいる。
珍しい。まず携帯が主になっている私たち夫婦の家の電話というのもそうだし、留守番電話にメッセージを残すなんて。
誰だろう。
冷たいフローリングを滑るようにリビングへ入ると、直立不動の家具たちが迎えてくれた。
壁を探るように電気のスイッチを押そうとした時、暗闇の中に一際目立つ、赤い点滅を見つける。
長く見つめると目の奥に跡を残してしまいそうなその光は、電話からのもの。
リビングの明かりを点け、確認すると『メッセージ一件』とあった。
寄り添うように私の横にピッタリくっついているはっちゃんも、興味深そうに覗き込んでいる。
珍しい。まず携帯が主になっている私たち夫婦の家の電話というのもそうだし、留守番電話にメッセージを残すなんて。
誰だろう。