僕達は恋をした。
「次、体育だっけ?」
お昼を食べおわり、俺達は教室に帰るために食堂をでて階段に向かっていた
いつも通りの筈なのに、モヤモヤしてるのは何故だろう
‥ああ、そうか
いつも俺の隣にいた筈のコウがいない
「フジ、さっきからどうしたの?」
「‥は?」
「何か心、ここにあらず。って感じだけど‥熱でもあるの?」
俺より背が低いミーは、少し背伸びをして俺のおでこに手を当てる
「‥あんま変わんないよ?」
首を傾げるミー
「馬鹿だなあミー! コウがいないから寂しいんだよ!!」
「「‥え?」」
ミーと俺の声が揃った。
ニヤニヤ笑って俺の顔を見るヨウに、ヨウにつられて「そうなの?」とでも言いたげな表情で俺の顔を見るミー
「‥ちげーよ、バーカ!」
バレたことに動揺したことがバレないように、笑ってミーの頭を撫でた。
「コウに俺がそんなこと思うっておかしくね? ミーにだったらあり得るかもだけど」
「‥え?!」
次々と言葉を並べていく。
こんな時、自分の頭の回転の早さを誉めてやりたい
「フ、フジのバカ!!」
ミーは少し顔を赤くして、走って階段を1人で登っていった
静かに俺はため息をついた
「嘘つけ。」
ヨウは横でそう呟いて欠伸をしながら1段抜かしをしながらミーの後を追っていった