無償の想い
そう言って更に笑いが止まらなくなる私。

周りの人に変な奴って思われそうなぐらい笑ってしまった。

「そんなに俺がこういう所にくるのが変かな〜?確かにしょっちゅう来る所じゃないけど月に一回は来てるぜ?」

月に一回が多いか少ないかは分からないけど、とりあえず迷子にならないように武の後をついていく。

「ねえ?何買いに来たの?」

「ん?いや、特にこれといって買う物は無いんだけどさ。こういう所って時間のあるときしかゆっくり見れないし」

なんというワガママ発言・・・

武のお遊びに付き合わされた私。

まあ武のワガママは今に始まった事じゃないし、別にいいんだけどさ・・・

そんな事を考えながらとぼとぼ歩いていたら武の姿を見失ってしまった。

辺りをキョロキョロしてみたが見当たらない。

(あれー)っと思いながら歩いているとちゃっかり試着室から出てくる武の姿が見えた。


小走りで駆け寄って文句の一つでも言ってやろうと思ったら

「どう?結構似合ってるだろ?」

とカウンターパンチを食らう私。

「まったく。どこ行っちゃったかと思ったわよ」

「お前がボケボケしてるのが悪いのだ。時は金なりだぞ」
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