[完] スマフォン忍者 HISANO
 さすがに、寿乃も風花の肩から手を離した。

 寿乃は正座し、風花と目線を合わせようとする。

 しかし、風花は下を向いたまま。

 ぽたぽたぽた、涙を流すだけの力しか残ってない。

 もう、何もかもが抜けたように思えた。


「ねぇ、お願い、見逃してくれる。」

 小声ながら、寿乃の耳にしっかりと届く。

 だけど、寿乃の表情は変わらない。

 ちょっとだけ、間をあけてから。

「たとえ、誰かに指示されたとしても。

 たとえ、ほんの一円だけどとしても。

 犯罪は犯罪だ。」

 寿乃は天井を見上げる。

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