ROSE~AI (ノンフィクション
「凄いね高貴・・・・・かっこいいよ。」
躊躇わず、正直に口に出した。
本当にそう思ったんだ。
クラシックとか良くわかんないし、上手いとか下手とかじゃなくて・・・
遠くまで響く様な、透き通る音は、アタシの心を感動させるには充分で。
寒さを忘れて、高貴が奏でる音色に聴き入ってた
「ありがとう。」
我が儘を、叶えてくれたんだね。
「・・・・・」
微笑み見上げるアタシに、高貴は何故か悲しい顔をした
そっと弓を下ろして・・
「こ・・・」
「俺の事好き?」
「・・・・・」
ふいに高貴がアタシに尋ねる。
「・・・好きだよ?」
高貴は本当に、大切な人だと思ってる。
難しい表情を浮かべたアタシに、
高貴は真っすぐアタシを見下ろす。
「じゃあ那智は?」
「・・・・・・・」
那智・・・?