SEVEN WINGS
 少女は、座り込んだまま、動くことはできない。あの少年の様子じゃ、おばあさんは、殺されてしまうのだろうか。そんな思いが頭によぎるが、何もできない。
 数分すると、玄関が開いた音がし、ひたひたと水の落ちる音と、足音が聞こえた。そして、後ろのドアが開く音がする。
 ドサリと重いものが落ちる音がして、反射的に振り向く。 
「やれやれ……手のかかる子じゃのぅ」
 そこには、少年をベットに下ろしたおばあさんが。少女は思う。やっぱり、この人は最強だと……。


「プロローグ」 完
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