海までの距離
ハーメルンのことが好きだと言うのに、私が無知すぎるということ?
ただ、最後の一文だけが頭の中にこだまする。
尤も、それさえ100%の理解は難い。
「解散したバンド、ボーカルが失踪してね」
僅かに残っていたコーヒーを啜り、ぽつり。
「ある日突然『バンドなんかで一生生きてけるか!』ってさ、みーんな捨てて逃げちゃった。こっちとしては、『なに逃げてんの?』って思うし、そりゃ人間不信になるわな」
自嘲気味のライさん。
オレンジジュースをすっかり飲み干して、残った氷が溶けかけている液体を無意識にストローで吸ってしまった。
美味しくない。
「だけどそのボーカルはその時24歳だった。今だから気持ちは分かるよ。将来が不安だっていう焦る気持ちが。俺と凪が高3、もう1人のギターとベースが19歳。こんな餓鬼達になんて、構ってられなかったんだろうね」
お姉さんが奥から出てきて、グラスの水を注ぎ足してくれた。
軽く会釈をすると、お姉さんはにこりと笑って、そのまま静かに戻っていく。
ただ、最後の一文だけが頭の中にこだまする。
尤も、それさえ100%の理解は難い。
「解散したバンド、ボーカルが失踪してね」
僅かに残っていたコーヒーを啜り、ぽつり。
「ある日突然『バンドなんかで一生生きてけるか!』ってさ、みーんな捨てて逃げちゃった。こっちとしては、『なに逃げてんの?』って思うし、そりゃ人間不信になるわな」
自嘲気味のライさん。
オレンジジュースをすっかり飲み干して、残った氷が溶けかけている液体を無意識にストローで吸ってしまった。
美味しくない。
「だけどそのボーカルはその時24歳だった。今だから気持ちは分かるよ。将来が不安だっていう焦る気持ちが。俺と凪が高3、もう1人のギターとベースが19歳。こんな餓鬼達になんて、構ってられなかったんだろうね」
お姉さんが奥から出てきて、グラスの水を注ぎ足してくれた。
軽く会釈をすると、お姉さんはにこりと笑って、そのまま静かに戻っていく。