2番目の恋人


突然何で……


もしかして………



「ほら、皐も早く着替えて」


「あ、あぁ」



気づいてるんだ……



この後、俺が違う女のところに行くことを……



なのに、何も言わない……



イヤ、言わないんじゃなくて……言えないんだ。



「っ……ほんと俺って……」



「ん?何?」



「イヤ、何でもない。」



“最低だ……”





それから2人とも着替え終え、もう一度だけキスをして、ホテルを出た。



帰りの電車ではお互い何も話さず、手さえ握らなかった……



――――――――――……




「……ただいま」



「あら、遅かったじゃないっ!愛華さん来てるわよっ」


「あっ、はい……」



「お部屋に通しておいたからね」



「ありがとうございます……」



俺は未だに両親ともこんな会話の仕方。



父親は大病院の委員長ということもあり、なかなか家には帰ってこない。



だから会うことは数少ない。


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