2番目の恋人
「じゃあ、俺ん家でも……って、さすがに早いか。まずはカフェにでも行こう」
「はいっ」
まずはってことは、まだ後があるんでしょ?
早いなんて考えなくてもいいのに。
どうせ、目的は一緒なんだから。
「莉緒ちゃん、俺本気だから。本気で莉緒ちゃんのこと好きだから……」
はいはい。
そのセリフもたくさんの人から聞きました。
“本気”?
“好き”?
バカじゃない。
あんたたちが好きなのは、あたしの容姿であって、あたしじゃない。
ただ、あたしを見栄えのブランドとして、そばに置いておきたいだけでしょ?
「莉緒ちゃん?」
「あっ、ありがとうございます。」
とにかく笑ってお礼言っとけばいいか。
「莉緒ちゃんは俺の彼女になる気はない?」
少し屈み、クシャっと左手で髪を触りながら、甘ったるい声で囁いた
はぁ―…南先輩って、やっぱりバカだったのね。