2番目の恋人


「先輩、その指輪綺麗ですね。」


「え゙っ…あ、あのこれは……」



髪から手を放し、咄嗟にその手を隠した。



「彼女とお揃いですか?素敵ですね」


「あ、あの……」


「彼女さんもきっと同じ指輪をつけて、南先輩を思ってるんでしょうね」



あの頃のあたしのように……




「今日はもう帰りますね。」


ニッコリと笑いかけた。




「えっ!?莉緒ちゃん!?」



南先輩に背を向けて、来た道を歩き出す。



顔はなかなか良かった南先輩。



女の子には不自由してないんだろう。



ただ、頭がね〜〜




普通、浮気しようとしてるのに、指輪してくるか?



彼女にも、あたしにも失礼だろ。



「莉緒ちゃんっ!!」



グイッと引かれた右手。



「……何ですか」




さっきの笑顔を向ける価値もない。



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