2番目の恋人


靴を脱ぎ、リビングに入ると机の上に置いてある万札が月明かりで見えた。



電気も付けず、制服から部屋着に着替える。



「……三万か」




机に置いてある万札を手にとり、すぐに机に投げ捨てるように置く。




ふっ……三万ってことは今週も帰る気ないのか……



ってか、あたしに会う気がないのかな……?




食欲もなく、夕食を食べないままソファーに倒れ込んだ。



両親はあたしが小さい頃に離婚した。



あたしを引き取ったのは父親。



そんな父親は仕事人間で、あたしのことなんて気にもとめていない。



というより、嫌いなんだろう……




だから帰ってこないで、お金だけ置いていくんでしょ?


あたしを1人にするんでしょ……?




その日はそのままリビングのソファーで眠りについた。


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